少し長めの自己紹介

私、山本尚恵は、2009年より独立し、ライター 兼 編集として活動を開始いたしました
医療分野の原稿を得意とし、最近では「医療ライター」を名乗っております。

医師に専門領域があるのと同様、医療ライターにもそれがあり、私は産科・婦人科・不妊治療など、いわゆる女性医療に関する分野の執筆に携わることが多く、知識もそこそこ豊富です

ここでは自己紹介を兼ねて、医療ライターとして私が目指す姿についてお話しさせてください。

医師と患者の誤解を解く ~医療者と非医療者の架け橋を目指して~

医療分野においてライターには、正しい情報を発信することは言わずもがな、もうひとつ重要な役割があると私は考えています。それは医師=患者間のコミュニケーションをスムーズにすることです。医師と患者とではその立場の違いから、思わぬ誤解が生じることが多々あります。その一例として、私が以前書いた記事の一部をご紹介します。

不妊治療を続けている患者さんの中には、病院を替えたことのある人が少なくありませんが、その原因の多くに「医師との考え方の不一致」が挙げられています。医師と治療方針が合わない、医師の考え方についていけないなど、コミュニケーションの隔たりを理由に、病院を替えることが多いのです。その隔たりとなっているのが、「医師と患者で、不妊治療に求めるものが違う」ことなのではないでしょうか。

医師と患者で不妊治療に求めるものが異なるのは、それぞれ立場上、仕方のないことです。医師の立場からすれば、患者さんが「妊娠しなくて困っているんです」と言って治療に来ているのですから、早く妊娠できる方法を考え、提案します。

一方、患者の立場からすると、「今までずっと1人で悩んできた不妊のことを、やっと相談できる相手が見つかった。少しでも話を聞いてもらいたい」と思うこともあるでしょう。しかし、すべての患者さんの話を聞いていては、医師には診察をする時間がなくなってしまいます。医師の気持ちと患者さんの気持ちが揃わないと言われるのには、こうした背景が考えられます。

このような医療者と非医療者の間に生じた誤解や隔たりは、適切な情報発信で解決できることも少なくありません。互いの立場や発言の意図をうまく補足できれば、非医療者――すなわち患者さんによる医療への理解も深まり、より適切な治療を享受できる可能性が高まるのではないか。私はそう考えています。

これが私の目指す「医療者と非医療者の架け橋」です。私はこの言葉を胸に、日々正しい医療情報の発信や、医師=患者間のコミュニケーションがよりスムーズになるような記事の執筆ができるよう精進していく所存です。

そして最終的には老若男女すべての方が医療に対し、適切なリテラシーを持つ世の中になることを願っています。それが医療ライターを続ける私のモチベーションです。

もしもご縁をいただけましたら、それを大切に、執筆に励んでまいります。